それもそのはず、バレンタインのチョコは「女性から女性へ」贈るのが主流になりつつあるようだ。
■箱もこだわり
若い女性でにぎわう百貨店のチョコレート特設売り場だが、チョコは一昔前と一変している。赤やピンクで彩られ、とにかく「かわいい」のだ。各百貨店の主力チョコを表にまとめた。
クマやブタをかたどった〈1〉や〈2〉は、従来には見られなかったデザインで、女性に贈ることを意識したもの。〈3〉は、まるでリンゴあめのよう に、リンゴを丸ごとチョコやキャラメルで包んでいる。箱やパッケージにこだわった〈4〉〈5〉は、雑貨としても楽しめるよう工夫されている。〈6〉は、女 性に人気の抹茶やほうじ茶を素材に使った和風チョコだ。
カラフルな「女子チョコ」を集めたチョコレート特設売り場(東京都中央区の日本橋高島屋で)
■主流
こうしたかわいくて話題性に富んだチョコは、主に女性から女性へ贈られるという。「友チョコ」と呼ばれ、10年ほど前から中高生の間で広がり、ここ数年でバレンタインチョコの主流となっている。友チョコの流行を受け、伊勢丹新宿本店(同)が今年掲げるテーマは、ずばり「ハイパーかわいい」だ。「究極にかわいい」という意味で、女性が「あげてうれしい、もらってうれしい」チョコを集めた。
日本橋高島屋(同)では、友チョコをさらに進めた「女子チョコ」をテーマに品ぞろえする。女性の上司や先輩、後輩にも、チョコを贈ろうという提案だ。
■パパチョコ
製菓大手の江崎グリコ(大阪)が昨年末、10、20代の女性400人に聞いたアンケート調査によると、今年のバレンタインデーに、チョコを「女友 だち」にあげようと思っている人の割合は68・5%だったの対し、「告白したい男性」にあげる人はわずか10・3%にとどまった。ただ、「本命」に代わっ て急上昇しているのが、「父親」(44・3%)だ。百貨店でも昨年から「パパチョコ」需要が増えているという。父親を始め、家族やお世話になっている人に感謝の気持ちを込めてチョコを贈る習慣が定着しつつあるようだ。「東日本大震災の影響で、身近な人を大切にする気持ちが強まっているのでは」(日本橋高島屋)という。
告白したい男性に贈る「本命チョコ」と同様、職場の男性などに配る「義理チョコ」も、かつてのような勢いはないようだ。百貨店の中でも、「最近 は、低価格のチョコを大量買いする女性をあまり見かけなくなった」というところが多い。「友チョコに慣れた若い女性は、そもそも義理チョコという習慣を知 らない」(小田急百貨店)ためとみられる。
江崎グリコの調査でも、義理チョコをあげようと思っている人は27・3%で、「女友達」や「父親」を考えている人に比べるとかなり少ない。義理チョコをもらえる機会は、ますます減るのかもしれない。
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